花粉症

花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が体内に侵入することで引き起こされるアレルギー症状の総称です。

主な症状には、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、充血などがあり、人によっては皮膚のかゆみや咳、倦怠感などを伴うこともあります。

舌下免疫療法

舌下免疫療法では、スギ花粉症には「シダキュア」、ダニアレルギー性鼻炎には「ミティキュア」という薬が用いられます。

舌下免疫療法はスギ花粉症、ダニアレルギー性鼻炎で長年悩まれている方の症状を軽減できる治療法です。
アレルギーの原因物質を含んだお薬を毎日舌の下で溶かすように内服することで、体をアレルゲンに慣らして体質改善をはかることができます。
数年継続することで長期的な効果が得られるため、定期的な診察が必要になります。

治療は毎日、自宅で薬を服用する形で行い、3~5年間の継続が必要です。
根気のいる治療ではありますが、長期的な症状の軽減や薬の使用量の減少が期待できます。

シダキュア
(スギ花粉症の舌下免疫療法)

スギ花粉症の根本的治療を目指すアレルゲン免疫療法に用いられる薬で、スギ花粉のエキスを少量ずつ継続的に舌下で摂取し、体をアレルギーの原因物質に慣れさせる治療法です。

開始時期

  • 花粉の飛散していない時期(6~12月)に治療開始

対象年齢

  • 5歳以上

ミティキュア
(ダニアレルギーの舌下免疫療法)

室内にいるダニ(ヤケヒョウダニ・コナヒョウダニ)が原因で、1年を通してアレルギー症状が続く方に適応される治療薬です。
ミティキュアは、ダニのエキスを使い、体をアレルゲンに慣らしていきます。

開始時期

  • 通年いつでも開始可能

対象年齢

  • 5歳以上

副作用リスク

  • 不快感やのどの刺激感
  • 口の中のかゆみ・違和感
  • 唇の腫れ
  • アナフィラキシー

重症花粉症治療 ゾレアについて

ゾレア®とは、季節性アレルギー性鼻炎のうち、既存の治療で効果が十分にみられなかった重症または最重症の「スギ花粉症」の方に限って、2020年より保険適応にて、12歳以上で行うことができるようになった注射薬です。

スギ花粉症による鼻炎症状が内服薬や点鼻薬を使用しても治まらず、1日中花粉症で悩んでいる方、また内服薬による眠気などの副作用が強く、より強力な薬剤への変更や増量ができない方にお勧めの治療です。

ゾレアは重症のスギ花粉症患者に対して効果的な治療法ですが、その効果は主に治療を受けているシーズンに限定されます。そのため、ゾレア®の適応となった重症花粉症患者様は、6月以降になればスギ舌下免疫療法を考えてみましょう。

このような方におすすめです

  • 内服薬を飲んでも、くしゃみ・鼻水がとまらない・鼻がつまるといった症状が治まらず、1日中ティッシュが手放せない方
  • 花粉症の薬の副作用(眠気)で困っている。あるいは薬の量を減らしたい方
  • スギ花粉症の治療を受けていたが、どれも効果が乏しかった方

治療を受けられる方

以下の条件を全てを満たす方が対象となります。

  • 12歳以上で、体重が20~150㎏の範囲にある方
  • スギ花粉のアレルギー検査結果が陽性の方
  • 症状の程度が重症・最重症と認めらる方
  • 血液中の総IgEが30~1500 IU/mlの範囲にある方
  • 従来の治療法で効果がみられなかった方

治療について

ゾレアはスギ花粉の飛散時期(2月~5月)に行うことが可能で、2週または4週毎に受診して、継続的に注射をしていきますので、継続的に受診ができるようスケジュールを立てておくことが必要です。
投与数日後~2週間程度で効果が出始め、1か月程度持続するといわれています。

ゾレアの副作用

注射部位の赤み・かゆみ・腫れが主な副作用です。
場合によっては、眠気やめまい、疲労感を感じたりすることがあります。そのため、注射直後の車の運転や機械の操作などはできる限り控えるようにしてください。
また、稀にアナフィラキシーショックを起こす可能性があります。

ゾレア投与後の注意に関しては、医師や看護師の指導に従い、症状が出た場合はすぐにお知らせください。