じんましん

じんましんとは、皮膚に現れる一時的な赤みや腫れで、強いかゆみを伴う病気です。たいていは数十分~1日以内に治まります。
数日から1~2週間で治まる「急性じんましん」と、繰り返し何年間も続く「慢性じんましん」があります。

食物などのアレルギー反応として起こるものや、汗をかいたり興奮することで起こるもの、紫外線の影響で起こるものなど、原因が特定できるじんましんもあれば、原因がはっきりとわからないじんましんもあります。

治療法としては、かゆみを抑えるための抗ヒスタミン薬の内服が中心ですが、重症の慢性じんましんの患者さんに対して、注射(ゾレア)による治療も可能です。
また原因が特定できた場合はその原因をできるだけ避けるようにしましょう。

ゾレアについて

ゾレアは特発性(原因が明らかではないこと)の慢性蕁麻疹に対する治療薬(皮下注射)で、これまでの治療薬とは異なる作用機序でマスト細胞の活性化を抑制し、蕁麻疹の発症を防ぐお薬です。
蕁麻疹は血液中のIgEと呼ばれる物質が、皮膚にあるマスト細胞を活性化することで、炎症を起こす化学物質(ヒスタミンなど)が放出されることでおこります。

ゾレアはIgEとマスト細胞の結合を阻害し、アレルギー症状を軽減させます。

投与できる方

  • 今までの治療で効果不十分の方
  • 12歳以上の方
  • 蕁麻疹の原因が不明
  • ゾレアに対する過敏症の既往がない方

投与できない方

含まれる成分に対して、アレルギー反応を起こしたことのある方

主な副作用

  • 注射をした部位に発疹、腫れ、かゆみなどの症状を生じることがあります。
  • 重篤な副作用としてアナフィラキシーを起こす可能性がありますが、頻度は稀です。

治療スケジュール

4週間毎に皮下に注射します。初めは院内で投与する必要がありますが、患者さんに注射方法を指導し、問題なくご自身で注射可能となった場合、自宅で注射できるように処方することができます。